(前回の続き)
Raspberry Pi 4B を購入したので初期設定など行った。
OSは Raspbian Buster。ベースになっているのは Debian 10 Buster。
SSH、Wifi、一応コンソールで日本語環境の設定を行った。
はじめに
ラズパイ4は、CPU、メモリが大幅アップしていて、HDMI 2ポート ありデュアルディスプレイに対応など、小型のPCスペック とも言えますが、ネットワークモニタにするつもりなので、モニタ、キーボード、マウスを付けないヘッドレス構成にします。
ヘッドレスにするは、初回起動時に ネットワークに接続し、かつ SSH などのリモートアクセスを有効にする必要があります。
具体的には Raspbian を書き込んだSDを Windowsにマウントして、ファイルを2つほど用意すればよく非常に簡単。IPアドレスはDHCPで取得するので 割り当てられた IPを確認すれば、SSHでリモート接続可能になる。
ラズパイの初期設定
OSダウンロード
OSは、Raspberry PI Downloads から入手可能。
ただし、国内のミラーサイトのほうが速いので そちらの方が推奨。
通常版: http://ftp.jaist.ac.jp/pub/raspberrypi/raspbian/
フル版: http://ftp.jaist.ac.jp/pub/raspberrypi/raspbian_full/
Lite版: http://ftp.jaist.ac.jp/pub/raspberrypi/raspbian_lite/
今回は、ヘッドレスで使うので OSは Lite 版 の最新日付のやつにした。
MicroSDへの書き込みは、Cygwin dd だとうまくいかないので、公式推奨の balena Etcher を使用した。(ダウンロードした .zip と 書き込む SDドライブを選択するだけなので手順は省略)
SSH有効化
最初の起動時からSSHが使えるようにするには、/boot/ の下に ssh ファイルを作成すればよい。/boot/ は SD を Windows でマウントすればアクセスできる。
操作は Cygwin のターミナル上で行った。ファイルの中身は空でよい。
$ cd /cygdrive/d/ ←SDカードのドライブに移動
$ touch ssh ← ssh ファイルを作成
WiFi有効化
今回は無線LAN接続にしたいので 初回起動から無線LANに接続するように設定を行った。設定は /boot/wpa_supplicant.conf ファイルで行う。ssh と同様に Windows に SDカードをマウントしてファイルを作成。
country=JP
ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev
update_config=1
network={
ssid="<SSIDを書く>"
psk=<パスフレーズを書く>
}
パスフレーズは、ハッシュ化したキー文字列でも大丈夫。ハッシュ化するには wpa_passphrase コマンドが使えるが Cygwin にはないので、別途 Ubuntu 環境で実施した。
$ sudo apt install -y wpasupplicant ←wpa supplicant パッケージをインストール
$ wpa_passphrase "<SSID>" "<パスフレーズ>"
network={
ssid="<SSID>"
#psk="<パスフレーズ>"
psk=************************************ ←ハッシュ化されたキーが表示される
}
出力結果の、「psk=....」の行をコピーして、wpa_supplicant.conf に張り付けて上書き保存。
必要な作業はこれだけ。非常に簡単。
作成した wpa_supplicant.conf は ラズパイの /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf に保存され、自動的にWifi接続 される。
IPアドレスの確認
あとは、MicroSDカードを本体に挿入して、電源を入れれば リモートから接続できる状態でラズパイが起動する。
問題は、自動接続された ラズパイの IP アドレスがわからない事だが、DHCP で自動的にIPが割り振られるので 起動した後に 調べるしかない。
今回は、DHCPサーバーの リース状況を確認して ラズパイのIPを突き止めた。
DHCPサーバーで確認できない場合は、Netenum5 などで IPを探索するか、ping で めぼしいIPを 探っていけば 良いと思う。
SSHでログイン
IPアドレスが分かったところで、SSHクライアントで接続すればログインできる。
Host : <確認したIPアドレス>
User : pi
Password : raspberry
OSの初期設定
ログインできたら 「sudo raspi-config」を実行して OS の初期設定を行っていく。
TUI でメニュー形式になってるので画面の指示に従って設定をしていく。
とりあえず 次の3か所 設定を行った。
1 Change User Password : 「pi」 ユーザのログインパスワードを変更
4 Localization Options
> I1 Change Locale : ロケールを設定。一覧から「ja_JP.UTF-8」を選んでスペースでチェックを入れる。
> I2 Change Timezone : タイムゾーンを設定。一覧から「Asia」「Tokyo」を選ぶ。
<Finish> を選んだら再起動して 初期設定は完了。
apt のミラー設定
apt の参照先を日本国内のミラーサイトに変更する。
日本のミラーサイトは3か所ある。
/etc/apt/sources.list ファイルを編集。
一行目をコメントアウトして、「deb http://ftp.tsukuba.wide.ad.jp/Linux/raspbian/raspbian/ buster main contrib non-free rpi」を追加する。
#deb http://raspbian.raspberrypi.org/raspbian/ buster main contrib non-free rpi
deb http://ftp.tsukuba.wide.ad.jp/Linux/raspbian/raspbian/ buster main contrib non-free rpi
# Uncomment line below then 'apt-get update' to enable 'apt-get source'#deb-src http://raspbian.raspberrypi.org/raspbian/ buster main contrib non-free rpi
apt-cacher-ng の設定
apt upgrade で パッケージを最新版に更新するのだが、我が家では apt-cacher-ngが入ったキャッシュサーバーがあるので、ラズパイから 使用できるように apt の設定を行う。
ラズパイで apt を使った際に、我が家の apt サーバーを 経由させるわけだが、設定は簡単で、/etc/apt/apt.conf.d/ の下に 02proxy というようなファイルを作成して 次の内容を記述する。
Acquire::http::Proxy "http://<apt キャッシュサーバーのIP>:3142";
設定が終わったら普通に apt コマンドでアップデートを行う。
$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade -y
こうすると、一度ダウンロードされたパッケージは キャッシュサーバーに保存され、次に 同じパッケージを 入れる際はキャッシュが使われるので 時間短縮できる。
停止する場合は、SSHでログインして sudo poweroff を実行。
電源ケーブルを外せばファンも止まる。
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